重い木の扉 小さな玄関
洗い物の残ってるシンク
明日の朝に忘れないように空き缶とビンのゴミを出さなくちゃ
あたりまえだったことが一つずつしまわれていく
満ちていたぬくもりは換気扇の奥に吸い込まれた
おかえりとただいまを
何度ここで言い合っただろう
この家を出て行ったら跡形もなく消えてしまう
大きな窓と空っぽの棚
足りないものもまだわからない
残った傷跡を確かめるけどそのうちにきっと忘れてしまう
新しい毎日を一つずつ積み上げてゆく
変わらないものもそのまま抽斗の中にしまう
おかえりとただいまを
何度ここで言い合えるだろう
この家もあたたかな匂いに満ちていけばいい
おかえりとただいまを
何度もここで言い合おう